180830交渉 報告
吉田寮自治会
吉田寮自治会は8月30日、大学当局との少人数交渉に臨みました。今回の交渉でも川添理事は、寮自治会との合意形成や真摯な議論に応じず、果てには交渉の打ち切りを示唆するなど強行的姿勢を見せました。
老朽化対策積み重ねできず
前回交渉では、現棟の老朽化対策について、以下の4点を確認していました。
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現棟の老朽化対策について吉田寮自治会の改修案の3案を今後大学内で検討し、寮自治会にフィードバックする
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現棟の老朽化対策について、大学の専門家を交えた話し合いを吉田寮自治会とし得る
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現棟の耐震調査については、今後検討していく
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現棟の老朽化対策について、大学当局は吉田寮自治会と話し合いを継続していく
今回の交渉で寮自治会はこれらについての応答を求めましたが、具体的な返答は一切ありませんでした。寮側は、老朽化対策の実施を遅延させている大学当局の不誠実な態度を問いただしましたが、理事は、「寮生が全員退去することが先」という返答に終始しました。
また、今回、寮側は、現棟の建築的価値を論じた論文「京都大学吉田寮舎の中に息づく京都大学前身創設時寄宿舎についての調査実測による実証と考察」(LINK)を提示しました。これは階段室や便所棟など一部の建造物は京大最古のものとなっていることを示しているものです。これに対して理事は、現棟の建築的価値を認めたうえで、「価値は相対的に決まってくる」「総合的に判断する」と、具体的な応答を避けました。検討状況を開示するよう寮側が求めても、前回の交渉同様拒みました。老朽化対策について、「早急に進める」、「当事者を軽視しない」と口先では発言していますが、実際に行っていることは、老朽化対策の遅延、当事者の軽視にほかなりません。
新棟退去 「基本方針」を逸脱
2015年築の新棟は耐震上の問題はありません。これを大学当局も認めています。新棟からの退去を求める理由として、川添理事は、昨年12月に出した「『吉田寮生の安全確保についての基本方針』の策定・実施について」において、「現状では、新棟と現棟のいずれの建物に誰が居住しているのかを残念ながら大学が把握できる状態にはないため」と説明していました。しかし、今回の交渉で理事は、新棟の耐震性に問題がないことを認めたうえで、主に「福利厚生施設の再編」の観点から新棟からも退去を求めていると述べました。「基本方針」では「寮生の安全確保」を最大の目的とし、「福利厚生施設の再編」は掲げられていないことを寮生が指摘すると、理事はその事実を認めました。川添理事の言動は、「基本方針の実施」という理事の裁量を逸脱しており、きわめて問題です。
ハラスメントを居直り
前回交渉で川添理事は、寮生に対して、脅迫的な言動を行い、自ら「恫喝ととってもらってかまわない」と恫喝行為を認めました。今回の交渉で寮自治会は、恫喝というハラスメントを寮生に行ったことに対して謝罪を求めましたが、川添理事はこれを拒否しました。そして、あろうことか、
当局側の出席者からは、「理由があった」(川添理事)、「人間なんだから仕方ない」、「研究室でも強い口調での指導はある」(井垣・第三小委委員長)とハラスメントを擁護する二次加害発言が相次ぎました。
交渉打ち切りを示唆
交渉最後になって川添理事は、次回以降の交渉を開催しない旨を示唆しました。これに対して寮自治会は、一方的な打ち切りはしないよう求めましたが、理事は「意見は聞いた」とだけ言い残し、寮生が話しているのをさえぎって、強引に会場を後にしました。寮生が話をしたいと求めるのも聞かず、職員に囲まれながらタクシーに乗り込みました。