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現棟の耐震性について
吉田寮現棟の老朽化は30年以上前から指摘されていました。また、2005、2012年に吉田寮現棟の耐震調査が行われました。その結果、構造補強および補修が必要だと診断されました。
〇診断方法:「伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル(木造軸組構法建物の耐震設計マニュ アル編集委員会)」に基づく限界耐力計算
〇診断計算結果概略
東西方向 南北方向
管理棟 構造体に損傷が残る 倒壊する可能性がある
南寮 仕上げ材*に損傷が残る 耐力不足
中寮 仕上げ材*に損傷が残る 耐力不足
北寮 耐力不足 耐力不足
*仕上げ材:建物の内外装、およびそこに用いられている部材のこと
同報告書内には、構造補強による現棟の補修案と補修実施後に得られるであろうの耐震性の結果が記載されています。そこでは「補修により地震発生時に建物が倒壊しない十分な強度を得られる」とされています。この補修案は 2006 年当時、吉田寮自治会と京都大学当局の合意により実施の前段階まで至りました。しかし、大学が予算獲得に失敗し、白紙化されてしまいました。
一方で、これだけ老朽化していることは、それだけこの現棟が歴史を積み重ねてきたことの証でもあります。
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