学生の選別・差別について
「基本方針」では、学生を「正規生」と「非正規生」に分け、両者に対する待遇に大きな差を設けています。まず京大執行部は両者を次のように定義しています。
正規生:学部生あるいは大学院生で、かつ、標準修業年限を超えないもの
非正規生:正規生以外の学生(留年・休学した学生、聴講生など)
1)在寮期限について
正規生の在寮期限が2018年9月末とされているのに対し、非正規生は2018年3月末までとされています。
2)代替宿舎について
「基本方針」では、退舎する吉田寮生に対し、代替となる宿舎を提供すると述べられています。しかし、それは正規生に限定したもので、非正規生に対しては一切の措置がありません。
すなわち京大執行部は「非正規」の学生に対して、たった3ヶ月でそれまで住んでいた寮を退去することを強制し、経済支援を打ち切ることを通告しているのです。しかも、退舎期限についてこのような差別化がはかられていることは、京大HPなどでは公表されておらず、寮生個人宛に送付された文書の中だけで突きつけてきています。
吉田寮自治会はこれまで、学籍によらず京都大学で勉学に励む人々全てに入寮資格を認めてきました。ですから、吉田寮にはこうした「正規生」以外の人々も居住しています。例えば、聴講生・研究生などの身分で大学で勉学・研究に励む人もいます。また、留年・休学しても学生でいる人々もいます。多様な学びのかたちを支援することも大学として重要なことだと考えます。それだけに、京大執行部が学籍によって学生を選別・差別していることは、これまでの吉田寮自治会の入寮選考のあり方とは大きく異なる姿勢です。
京大執行部が「基本方針」策定の理由として老朽化問題を持ち出していますが、それが本当なら学籍によって差を設ける必要はないはずです。そこに明確な差を設け、さらにその事実を公表しないことから、「基本方針」策定には安全確保とは別の意図が隠されていると疑わざるをえません。
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