top of page

吉田寮現棟の価値

 吉田寮現棟はたしかに老朽化しています。一方で、建築から築100年ということは、それだけ歴史的な価値があることの証左です。また、そのあいだ実際に使用され続けてきたことから、「動的な価値」も付与されていると言えるでしょう。現に、建築史学会、日本建築学会近畿支部から吉田寮現棟の保存要望書が提出されています。

 要望書では、特に吉田寮の歴史的意義について述べられています。吉田寮は1913年に新築されましたが、じつは1889年に竣工された旧制三高の寄宿舎を移転したものです。そのため、吉田寮には明治期から大正期にかけての建築技術・意匠がふんだんに使われています。そして、この時代に建てられた学生寮は、1980年代までにほとんどが建て替えられており、現在もなお寄宿寮として使われているのは吉田寮が最古のものです。

←建築史学会の要望書

←日本建築学会近畿支部の要望書

前:現棟の耐震性

​次:老朽化対策の方向性

bottom of page