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写真集「京大吉田寮」②12/26裁判報告集会

2019年12月26日に行われた、「吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟 第3回口頭弁論の報告集会」に「吉田寮記録プロジェクト」として登壇してきました。 約2000文字、お時間がある方。写真集の背景を知りたい人は読んでみてください^^ *会場のレジュメ用に作成した原稿です*


『 初めまして、吉田寮記録プロジェクト発起人の岡田裕子です。吉田寮記録プロジェクトは名前の通り吉田寮の写真や動画を記録し、保存し、発信に使う活動を行っています。12月4日には写真集「京大吉田寮」が販売されました。 

 吉田寮は魑魅魍魎が住んでいる京都の魔境というイメージをもたれていますが、決してそんなことはなく、自分や周囲の思いを真摯に聞く姿勢をもつ学生が生活をしています。そんな「生活」を感じてもらいたいと、居室の風景や関係者の日常に焦点をあてた内容になっています。ですので現在吉田寮をとりまく情報はあえて載せていません。この写真集は吉田寮問題を知りやすくするための、入りやすい入り口になれればと思っています。まだ手にとってない方は是非みてください。私も見るたびに胸が「ぎゅっ」てなるような、素敵な仕上がりになりました。そしてもしご購入された方がいらっしゃったらありがとうございます。いま多くの人に写真集を見てもらいたいと、次の展開を考えています。知り合いの方で親身になってくれそうな方がいらっしゃれば、どうぞ教えてくださいませんか?ご協力お願いいたします。


 今日はこの場を借りて、私がどんな思いで記録に携わっているのかそんなことをお話しさせていただきたいと思いここにきています。

2017年大学から退去通告だされ、吉田寮を取材しようと様々なメディアが吉田寮を訪ねてきました。各メディアには担当の寮生がついて総会で取材の打ち合わせに当たりますが、この仕事が結構大変です。メディア対応に追われた寮生が疲労していきました。そんなある日TV局に撮影した膨大な動画はどうなるのか、吉田寮が使いたいと申し出た場合どうなるのかを訪ねました。答えは「資料は会社のもので、吉田寮が使用したい場合はお金がかかる」ということでした。その時に、仕事でくる大人たちと疲労する寮生の顔を見ていてもやもやしていた気持ちが固まり始めました。「吉田寮が大切にしてきた風土や文化が取材側の会社の資料という資本になるだけで、労働力だけ提供して吉田寮には記録が残っていない。」「いつか吉田寮関係者が自分たちで発信をしたい、こんな写真や映像が欲しい。そんな声が上がった時に使える資料を保存することが、吉田寮の力になるのではないか。」また、寮生が去っていく中で「生活空間」の消失という危機感も原動力にありました。生活は当たり前過ぎて、記録に残らない事が多いです。「生活の中に吉田寮の素晴らしさがある、それを記録という形で残していこう」そんな思いではじまったのが記録プロジェクトです。


 最初は寮生だけで写真や動画の撮影を行なっていました。なかなか思うような写真が撮れないなと思っていた時に、写真家平林克巳と出会いました。彼は元寮生から「吉田寮を撮影してほしい」と頼まれて吉田寮を訪問していたところに私に出会ったのです。当初私は「話題性のある吉田寮を撮影する、消費型思考の人なのかもしれない。」と警戒していたんですが、話してみると全くそんなことはなく「吉田寮を尊重し、吉田寮が使える資料の蓄積」という意思を同じくしていることが分かりました。そして何より彼の撮影の姿勢からこの人なら大丈夫だと感じるようになりました。そう思える関係に至れたのは本当に幸運でした。吉田寮を消費しないとは何か?どうすれば寮生に嫌な思いをさせないか。どんなことに気をつけていかなければいけないのか。そんな細々した事を平林さんと私は話し合いました。「吉田寮の歴史に敬意をもって関わりたい」その思いを共有できる、元寮生の宮西建礼、出版社の草思社の吉田和弘と出会い、この写真集が完成しました。


 最後にもし写真集を制作してくれて「ありがとう」という言葉が湧いてきた方がいれば、どうぞそれを吉田寮に向けていただきたいと思います。この写真集ができたのはここで100年の間住んできた、自治に熱心な人や、無関心な人、吉田寮を嫌いな人もいたでしょう、そんな住人を中心にした生活空間が継承され、周囲の住人が大切に思ってきたからです。そして私や平林がこんなに動けたのは、今日裁判で被告席にいた寮生の心に触れ心が動いたからです。みんなのおかげでこの写真集は出来たと私たちは思っています。今後はこの写真集を活用し、吉田寮を知ってもらう機会どんどんつくっていきたいと思います。


 現在出版社や報道関係者の方に写真集をみてもらい、記事にしてもらおうとアプローチを行っています。もしお知り合いの方で書評を書いてくださるような知り合いがいらっしゃいましたら紹介してくださいませんか。またその他写真集を活用できる企画が思い浮かぶ人がいれば、お知らせください。お力をどうぞお貸しくださりますようよろしくお願いいたします。



<吉田寮記録プロジェクト>

写真資料:写真集「京大吉田寮」発行

動画資料:「Vimeo 吉田寮」で公開中』










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吉田寮の未来のための私たちの提案

2019年2月20日、吉田寮自治会は署名提出行動とともに、記者会見を行いました。その際、提示した文書及び、大学当局への提案内容をここに転載いたします。 1)「吉田寮の今後のあり方について」を受けて  2019年2月12日、京都大学は『吉田寮の今後のあり方について』(以下、本文書において「今後のあり方」と言う)という文書を公式サイト上で発表し、記者会見を開いてマスコミ向けにこれを説明しました。この文

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