吉田寮はイベントごとに合わせて芝居を行う。
寮生が脚本を書く、オリジナルの劇を一年に二、三回くらいのペースでやる。
出演者も寮生で、皆、忙しい時間の合間を縫って練習をする。演出も寮生がやる。
私も何度か芝居に出たことがある。
中高生の頃、学園祭で芝居をやるとなると、皆、恥ずかしがったりして、ちゃんと芝居をした記憶が無かった。
寮祭芝居は、自由参加なので、割と芝居が好きな人が集まる。
それぞれ、なかなかの演技派で、いつも好評をもらっている。
オリジナルの脚本も、なかなか凝ったものが多い。
芝居を演じる中で、そんなに親しくなかった寮生と仲良くなったりすることもある。
寮生が寮生の書いた脚本で、寮生の考えた役を演じる。
芝居とは不思議なもので、役を演じている中に、その寮生の「素」が垣間見える時がある。
それが役者としていいか悪いかは別だが、そういう瞬間が、私は好きだ。
今年も芝居をやった。私は観客側だったが、とても楽しませてもらった。
芝居で演じる「役」を通じて、その寮生の「素」を知ることができる。
普通の芝居の観劇とはまた違った楽しみ方である。
中高生の頃の私にも、それくらいの度量があればよかったのだが、というのは言っても仕方ないだろうか。
機会があれば、是非、寮生の芝居を観てほしい。
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