top of page

「彼女が去った日」残り82日





私が所属する吉田寮の部屋は

5人で4部屋を使っていて

その一つに

たまり部屋という

いろんな人が滞在できる部屋があります。



そこに数2ヶ月前から

ある女性が顔を出すようになっていました。



その人は社会人を経て浪人をして

今は目的の大学に入るため時間を費やしているのだそう。

吉田寮には居心地がいいから

おもしろいから

という理由で滞在していると言っていた。



その彼女も受験勉強のために

新しいアパートをみつけて

今日旅立っていった。





彼女とは


時間とタイミング


そして


生活スタイルが合っていて



2か月の間でお互いの居心地のいい生活を把握できて

楽しい時間を過ごすことが出来た。



何もすることがないと

私達はよく料理をした。




買い出しに行って

重い袋を

半分ずつ手に持って

歩いて帰ったり。





夜中3時ぐらいになると


「お腹すいた~」


って言いだして



「辛ラーメンに生たまごをつけて食べると最高なんですよ~」


っていって



インスタントラーメンを食べたりした。




彼女は京都に友人もいるらしく

寮や友達やバイト先の近く

いろんな所に生活場所があるみたいで

いろんなところに寝泊りしていた。


でもその中でも寮が一番生活をする場所だっだようで

その寮から荷物をまとめて

今日は本当に彼女が寮から去る日だった。



遅く起きてきた彼女はせっせとご飯とスコーンをつくってくれて


「出来ましたよ!」




とテーブルに呼んでくれた。


忙しくパソコン作業をしていた私は


「はいはい。食べよ食べよ!!」



といってテーブルについた。



テーブルの上には


プルコギ

サンドイッチ

スコーン

グリーンカレー


が美しく並んでいた。




ご飯を食べながら

部屋を訪れる寮生に



「ごはんあるよ~~」



と声をかけて私達が食べさす。笑




その様子を彼女は



「近所のおばちゃんが近所の子どもたちにご飯をあげるやつや~~笑」



といって笑ってみていた。



「笑 たしかに~

この部屋はさ、どこかの村の縁側でさ。

あばあちゃん2人がせっせっとご飯をつくって

通り過ぎる子どもたちにお菓子をあげる感覚に近い気がするわ~~~」



「あ、それも分かります~~

でもお行儀悪い子にはご飯あげたくなくなる感じで」




そんないつもの取り留めのない会話をだらだらして

彼女が旅立つ時間になった。





きっと多くの人は

この時間の貴重さを理解できないだろうな~

と、縁側にいる気分の私は考えていた。



ご飯を作って提供する人

そのご飯を食べる人達が通り過ぎる。




そんな時間は

こういう場所でしか出来ない。

こんなに多くの人が生活する場所だから

出来る事なんだよね。




彼女がおおきな鞄を背負って部屋から出ていく時

何とも言えない気持ちになった。




「しばらく会えないですね」




そう言って彼女は歩いて行った。






その4日後。。。。。。。。。。。。





ガラっと共有部屋の扉が開いた。




「今週バイトが入らなくて、予想外に時間が出来たので。。。。」




なんと



彼女が戻ってきた  笑





そして今もまた彼女とご飯を作って食べている。




こんな日常が



最新記事

すべて表示

吉田寮の未来のための私たちの提案

2019年2月20日、吉田寮自治会は署名提出行動とともに、記者会見を行いました。その際、提示した文書及び、大学当局への提案内容をここに転載いたします。 1)「吉田寮の今後のあり方について」を受けて  2019年2月12日、京都大学は『吉田寮の今後のあり方について』(以下、本...

Comments


bottom of page