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「忘れ難きこと②/投稿者S」残り61日

寮に入った頃は、とても汚い相部屋にいた。


その部屋の廊下には、冷蔵庫がたくさん並んでいた。


「好きに使っていいよ」


そう言われた私は、飲み物を冷やそうと冷蔵庫を開けた。


所せましとモノが詰まっており、私の飲み物が入るスペースは無かった。


冷凍庫を空けてみた。


袋に入ったものがぎっしりと詰まっていた。


その袋に何が入っているのかは見ただけでは分からなかった。


「何が入っているんですか」と聞くこともなかった。


いくつもあった冷蔵庫だったが、ほぼすべてにモノが詰まっていた。


一体、この人は何をそんなに冷やしているんだろう、と思った。


冷蔵庫の扉を開けた瞬間に広がる、密集。空間の無さ。


あの違和感は忘れられるものではない。


寮に来て忘れ難い思い出の一つは、あの冷蔵庫の隊列と、その中身を占める謎のモノ達という光景だった。



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