本は増えども増えども、一向に減らない。
京都大学に入ってから、ますます本が増えた。
吉田寮内で行われる、部屋から部屋への引っ越しの時も、いつも本が頭を悩ませる。
本棚にびっしりと並んだ本を眺めると、何とも言えない満足感に駆られる。
読まなければ意味が無いのだが、読めていないものもいくつもある。
古本屋などで掘り出しものを見つけると、嬉しくなってつい買ってしまう。
いつも部屋の布団の周りには本が散らばっている。寝る前にあれこれと読むからだ。
専門の本もあれば、ちょっと違うのもある。相当かけ離れているのもある。
寮内で本を読んでると、「あ、それ面白いよ」「それ気になってた」という声が聞こえてくる。
そこで唐突に始まる本トーク。私も、自分が面白いと思った本を貸し出したりしている。
寮にいると、そういう本の話ができるのも楽しみの一つ。
今日も寮のどこかで、そんな話がされているのだろうか。
私はそんなことを想いながら、今日も本棚の肥やしになる本紙袋いっぱいにして寮に帰っていく。
そして、誰かに声をかけられることを、少しだけ期待しながら、私は寮内で本を読んでいる。
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